「東京都MICEシンポジウム」開催レポート― 国際会議・イベント誘致の魅力を探る―
東京が国際的に選ばれるMICE都市であり続けるには、優れたビジネス環境に加え、都市ならではの文化体験や次世代人材の育成がますます重要になっています。
こうした背景から、東京都と東京観光財団は令和8年2月4日(水)に銀座の観世能楽堂で「令和7年度 東京都MICEシンポジウム」を開催しました。
伝統芸能の空間で、「国際的な会議・イベントを誘致・開催する魅力とは⁉」をテーマに講演・議論が行われ、文化とMICEを融合させた新たな可能性が示されました。
<画像提供:観世能楽堂>
MICEの意義とユニークベニューの価値を知る機会に
シンポジウム冒頭では、MICE誘致が過去最高ペースで伸びている現状と、2030年に国際会議開催数で世界トップ3入りを目指す東京都の重点施策として、国際プロモーションやユニークベニュー活用、デジタル・サステナビリティ、人材育成などが示されました。
観世能楽堂では、目付柱を外す特別仕様により舞台の視認性を向上。伝統的な能舞台でありつつ、イベントに合わせて設えを変えられる"柔軟性"が際立ちました。 このような文化空間ならではの魅力と実用性は、参加者に強い印象を与え、東京独自のMICE体験として関心を集めています。
第1部 基調講演:「MICEで広がるつながりと可能性」
講師には、跡見学園女子大学の守屋邦彦准教授が登壇しました。
MICEを「人や情報が集まり、新たな交流やビジネスが生まれる場」と位置づけ、その意義をわかりやすく示しました。
MICEは主催者だけでなく、会場、旅行会社、IT、設営、警備など多くの事業者が連携する総合産業であり、国際会議をめぐる都市間競争が一段と激化している現状も指摘しました。
また、MICEにはビジネス機会の創出をはじめ、都市のプレゼンス向上や地域経済への波及、交流人口の平準化といった都市運営上のメリットに加え、長期的なレガシーを残すといった多方面での価値があることが強調されました。
講演は、MICEの基礎をあらためて理解する機会ともなり、参加者に確かな学びを残す内容となりました。
第2部 パネルディスカッション:「MICEと関わるシゴト」
MICEの現場で活躍する3名のプロフェッショナルに加えて学生2名が登壇し、それぞれの視点から"MICEのシゴト"について意見を交わしました。 進行は、PCO経験30年の小島規美江氏(MICE makes LINK 代表)が務めました。
● パネリスト(五十音順)
• 大和田 佳典 氏(京王プラザホテル)
国際会議の受入れなどホテルMICEの現場で多様な実務を担う。
• 古俣 美菜子 氏(株式会社コングレ)
PCOとして国際会議の企画・運営を総合的に支える専門家。
• 髙橋 直樹 氏(株式会社八芳園)
会場運営とホスピタリティを軸に多様なMICEの創出に取り組む。
• 学生パネリスト:陳 可愉 氏(多摩大学)、矢田 萌 氏(杏林大学)
MICE就業体験プログラムに参加する学生が投げかけた2つの質問を起点に、業界のプロフェッショナル3名とファシリテーターが議論を深める形式でディスカッションが進行。 学生の率直な視点が会場全体の関心を引き込み、MICEの"現場で働くことのリアル"に迫るセッションとなりました。
<写真左から小島氏、陳氏、矢田氏、髙橋氏、大和田氏、古俣氏>
• 質問①「MICEの仕事の魅力は?」
3名のプロが共通して挙げたのは、 「主催者の思いを形にし、人・文化・専門性をつないで新しい価値を生む仕事であること」。
業界の垣根を越えて最適解を探り続ける取り組み、演出や食事を通して記憶に残る体験を創出する現場の力、多様性に寄り添い誰もが快適に過ごせる空間を提供する姿勢など、それぞれの現場で培われた専門性が語られました。
• 質問②「若手世代は、どう貢献できる?」
若手には、多様性やサステナビリティを前提に行動できる価値観が期待されていることが共有されました。
また、日々の業務に真摯に向き合いながら自信を育てていく姿勢や、自分の"好き"を軸に五感で学びを広げていくことも成長の鍵として挙げられました。 さらに、情報があふれる時代だからこそ、現場での体験を重視する姿勢が重要であるとの意見が示されました。
共通して、「若い感性こそMICEをアップデートする原動力」との強いメッセージが示されました。
参加者から寄せられた質問に登壇者が丁寧に応じる場面もあり、そのやりとりの中では笑いが起こる瞬間もありました。
会場は終始あたたかな雰囲気に包まれ、MICEの現場で求められる姿勢や人との向き合い方について理解が深まる時間となりました。
特別プログラム:能の実演
重要無形文化財総合指定保持者であり、シテ方の第一人者として活躍する藤波重彦(ふじなみ しげひこ)氏が登場し、仕舞『放下僧 小歌』を披露しました。 仕舞は、能の見どころを面や装束を用いずに舞う簡潔な上演形式で、短い時間で能の核心に触れられるのが特徴です。藤波氏による静謐な舞が、観世能楽堂の空間により深い趣をもたらしました。
またロビーでは、能面や能装束の展示も行われ、参加者が伝統芸能への理解を深める貴重な機会となりました。
本シンポジウムでの取り組み
<ユニークべニューについてのご案内>
・ユニークべニューワンストップ総合支援窓口の相談ブースを設置。観世能楽堂に代表される様々なユニークべニューについてご案内。
-今回の会場である観世能楽堂の紹介ページはこちら-
<サステナビリティへの取り組み>
① 再生可能エネルギーを利用(グリーン電力証書あり)
② ペーパーレスの推進
・二次元コードによる受付管理
・オンラインアンケートの導入
③ 環境に配慮した備品調達
・プラスチック製ネームホルダーではなく、回収できる紙製を使用。
④ ダイバーシティの促進
・託児スぺースの設置
⑤ 産学連携プログラムの実施
・「MICE就業体験プログラム」として都内3大学より5名の大学生が参加し、当シンポジウムの運営を体験。
⑥ 公共交通機関利用の推奨
⑦ 「サステナブルMICEサポートデスク」の相談ブースを設置。
伝統芸能の空間で、「国際的な会議・イベントを誘致・開催する魅力とは⁉」をテーマに講演・議論が行われ、文化とMICEを融合させた新たな可能性が示されました。

MICEの意義とユニークベニューの価値を知る機会に
シンポジウム冒頭では、MICE誘致が過去最高ペースで伸びている現状と、2030年に国際会議開催数で世界トップ3入りを目指す東京都の重点施策として、国際プロモーションやユニークベニュー活用、デジタル・サステナビリティ、人材育成などが示されました。
観世能楽堂では、目付柱を外す特別仕様により舞台の視認性を向上。伝統的な能舞台でありつつ、イベントに合わせて設えを変えられる"柔軟性"が際立ちました。 このような文化空間ならではの魅力と実用性は、参加者に強い印象を与え、東京独自のMICE体験として関心を集めています。
第1部 基調講演:「MICEで広がるつながりと可能性」
講師には、跡見学園女子大学の守屋邦彦准教授が登壇しました。
MICEを「人や情報が集まり、新たな交流やビジネスが生まれる場」と位置づけ、その意義をわかりやすく示しました。
MICEは主催者だけでなく、会場、旅行会社、IT、設営、警備など多くの事業者が連携する総合産業であり、国際会議をめぐる都市間競争が一段と激化している現状も指摘しました。
また、MICEにはビジネス機会の創出をはじめ、都市のプレゼンス向上や地域経済への波及、交流人口の平準化といった都市運営上のメリットに加え、長期的なレガシーを残すといった多方面での価値があることが強調されました。
講演は、MICEの基礎をあらためて理解する機会ともなり、参加者に確かな学びを残す内容となりました。
第2部 パネルディスカッション:「MICEと関わるシゴト」
MICEの現場で活躍する3名のプロフェッショナルに加えて学生2名が登壇し、それぞれの視点から"MICEのシゴト"について意見を交わしました。 進行は、PCO経験30年の小島規美江氏(MICE makes LINK 代表)が務めました。
● パネリスト(五十音順)
• 大和田 佳典 氏(京王プラザホテル)
国際会議の受入れなどホテルMICEの現場で多様な実務を担う。
• 古俣 美菜子 氏(株式会社コングレ)
PCOとして国際会議の企画・運営を総合的に支える専門家。
• 髙橋 直樹 氏(株式会社八芳園)
会場運営とホスピタリティを軸に多様なMICEの創出に取り組む。
• 学生パネリスト:陳 可愉 氏(多摩大学)、矢田 萌 氏(杏林大学)
MICE就業体験プログラムに参加する学生が投げかけた2つの質問を起点に、業界のプロフェッショナル3名とファシリテーターが議論を深める形式でディスカッションが進行。 学生の率直な視点が会場全体の関心を引き込み、MICEの"現場で働くことのリアル"に迫るセッションとなりました。
• 質問①「MICEの仕事の魅力は?」
3名のプロが共通して挙げたのは、 「主催者の思いを形にし、人・文化・専門性をつないで新しい価値を生む仕事であること」。
業界の垣根を越えて最適解を探り続ける取り組み、演出や食事を通して記憶に残る体験を創出する現場の力、多様性に寄り添い誰もが快適に過ごせる空間を提供する姿勢など、それぞれの現場で培われた専門性が語られました。
• 質問②「若手世代は、どう貢献できる?」
若手には、多様性やサステナビリティを前提に行動できる価値観が期待されていることが共有されました。
また、日々の業務に真摯に向き合いながら自信を育てていく姿勢や、自分の"好き"を軸に五感で学びを広げていくことも成長の鍵として挙げられました。 さらに、情報があふれる時代だからこそ、現場での体験を重視する姿勢が重要であるとの意見が示されました。
共通して、「若い感性こそMICEをアップデートする原動力」との強いメッセージが示されました。
参加者から寄せられた質問に登壇者が丁寧に応じる場面もあり、そのやりとりの中では笑いが起こる瞬間もありました。
会場は終始あたたかな雰囲気に包まれ、MICEの現場で求められる姿勢や人との向き合い方について理解が深まる時間となりました。
特別プログラム:能の実演
重要無形文化財総合指定保持者であり、シテ方の第一人者として活躍する藤波重彦(ふじなみ しげひこ)氏が登場し、仕舞『放下僧 小歌』を披露しました。 仕舞は、能の見どころを面や装束を用いずに舞う簡潔な上演形式で、短い時間で能の核心に触れられるのが特徴です。藤波氏による静謐な舞が、観世能楽堂の空間により深い趣をもたらしました。
またロビーでは、能面や能装束の展示も行われ、参加者が伝統芸能への理解を深める貴重な機会となりました。
本シンポジウムでの取り組み
<ユニークべニューについてのご案内>
・ユニークべニューワンストップ総合支援窓口の相談ブースを設置。観世能楽堂に代表される様々なユニークべニューについてご案内。
-今回の会場である観世能楽堂の紹介ページはこちら-
<サステナビリティへの取り組み>
① 再生可能エネルギーを利用(グリーン電力証書あり)
② ペーパーレスの推進
・二次元コードによる受付管理
・オンラインアンケートの導入
③ 環境に配慮した備品調達
・プラスチック製ネームホルダーではなく、回収できる紙製を使用。
④ ダイバーシティの促進
・託児スぺースの設置
⑤ 産学連携プログラムの実施
・「MICE就業体験プログラム」として都内3大学より5名の大学生が参加し、当シンポジウムの運営を体験。
⑥ 公共交通機関利用の推奨
⑦ 「サステナブルMICEサポートデスク」の相談ブースを設置。